公務員を2回辞めた男の転職日記

公務員(市役所職員)を2度辞めた男が、転職活動を通して感じたことや市役所の実情について記します。

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市役所のちょっと変なお仕事~団体事務とは?~

みなさんは市役所のお仕事と言うと、どのようなものを思い浮かべますか?

 

「窓口で住民票を発行する」

「都市開発に携わる」

「福祉の相談を受ける」

 

一般的にはこういったものを思い浮かべる方が多いのではないかと思います。

 

今回は市役所の知られざるちょっと変なお仕事

「団体事務」について紹介していきたいと思います。

 

・これから市役所職員になろうとしている人

・市役所に勤めているけど、団体事務のことはよくわからない人

・団体事務に携わってみたい市役所職員

 

にはピッタリの内容になっていますので、ぜひご覧ください。

 

 

団体事務とは?

団体事務とは、市役所が事務局を担っている任意団体

会議やイベントの段取りを行ったり、会計業務を行ったりするのが主な仕事です。

 

ちなみに市役所が事務局となっている任意団体には以下のようなものがあります。

各種イベントの実行委員会、PTA連合会、子ども会育成会、明るい選挙推進委員会、女性会議連絡会、民生委員児童委員協議会、農業推進協議会、下水道協会、自衛官募集事務連絡協議会、ごみ問題対策協議会etc...

 

これらの団体は、基本的には市民が構成員となり、市と連携しながら各種施策の推進に貢献しています。

 

団体事務の担当者になるメリットは?

団体事務の担当者になると以下のようなメリットがあります。

 

地域住民と近い距離で仕事をすることが出来る

団体事務は、住民と触れ合う機会が多く、

人付き合いが業務の大半を占めるといっても過言ではありません。

 

また、窓口業務のように一期一会の付き合いではなく、

長い時間をかけて一緒に団体を運営していきます。

 

他人と関わることが好きな人にはピッタリな業務です。

 

 

個人の裁量が大きく、自由に仕事をすることが出来る

団体業務は、基本的には担当者1人で団体の業務を全て行います。

 

自分のペースで仕事をすることができるので、

計画的に仕事をすれば、ある程度自由に休みを取ることができます。

 

また、業務の改善についても、上司や団体の許可が得られれば、

面倒な手続きもなく行うことができます。

 

周りに縛られず自分の好きなように仕事をしたい人にとっては、良い環境といえます。

 

 

イベントの企画に携わることが出来る

団体によっては、様々なイベントを主催しています。

研修会を企画したり、お祭りを主催したり…

職員が企画自体を任されることもあるので、自分の発想力を活かすことができます。

 

 

このように団体事務は他の業務と異なり、法律でガチガチに縛られていないので、

市役所の中ではかなり自由度が高い仕事です。

 

団体事務の担当者になるデメリットは?

では、逆に団体事務の担当者になるデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

 

上司や団体によって仕事量が大きく変わる

団体業務は、上司や団体のやる気によって仕事量が大きく変わります。

 

やる気がある団体の担当になると、

イベントや会議を無数に入れられることもあるので、当然仕事量は増えます。

 

それだけなら良いのですが、こだわりの強い上司に当たると、

どうでも良い業務を増やされ、時間を取られることもあります。

 

私も、とある団体の担当をしていた時に、1か月間休みが全く取れなかったことがありました…

 

こればっかりは運なので祈るしかありません。

あまりにも酷い場合には、人事課や組合に相談するのも手かもしれません。

 

職員に最終的な決定権はない

あくまで、職員は裏方の存在であり、最終的な決定権は団体にあります。

 

そのため、自分のアイディアが必ずしも反映できるとは限りません。

 

あまりにも、自分のやりたい通りに仕事をしていると、

団体の意思を軽視していると反感を買うこともあります。

 

自分のやりたいことをするには、団体の構成員と信頼関係を作ったり、

上手に根回しをしたりする必要があります。

 

 

付き合いで飲み会に参加しなければならない

団体の総会等があると、セットで必ずと言っていいほど懇親会が行われます。

 

これには、職員は絶対に参加しなければなりません。

 

それどころか、会場の予約や当日の会計を全て市役所職員が行うことがあります。

 

そして、市役所には交際費が存在しないため、参加費を自費で支払う必要があります。

 

上司が理解のある人ならば、残業代を水増しして相殺してくれたりするのですが、

なかなかそうもいきません。(そもそも、本来はやってはいけないことです)

 

お酒の席が苦手な人にとっては、かなり苦痛な時間であるといえるでしょう。

 

プライベートに干渉される

職員はあくまで、仕事ととして取り組んでいますが、距離感がわからず、プライベートにまで干渉してくる構成員の方もいます。

 

例えば、個人の電話番号やlineを聞いてきて、昼夜問わずに連絡を入れてくる人もいます。

 

仕事とプライベートを分けたい人にとっては、苦痛な業務かもしれません。

 

団体事務の課題について

もともと、市役所が事務局を持っている団体のほとんどは、

住民が自分たちの生活をより良くしていくために、任意で結成した団体です。

 

それを、様々な事情があって、市役所が事務局を持つことになっているだけです。

 

事務局が独立したっていいわけです。

 

しかし、そういった背景はほとんど知られておらず、構成員の中には

市役所に頼まれて仕方なく活動をしている

という認識の方もたくさんいらっしゃいます。

 

また、市役所側も、市政に団体を利用しているため、

現場の判断で団体を潰すことはできません。

 

そこで、様々なツテを使って構成員の勧誘を行ったり、

半ば強制的に加入しなければいけない仕組みを作ったりしています。

 

団体によっては活動の意義が薄れていて、

市民も「活動自体やる意味がないし、やりたくない

市役所側も「仕事は減らしたいけれど、続けなければならない

という誰も幸せにならない状態が続いていることもあります。

 

本来であれば、首長がこういった問題にメスを入れてくれるといいのですが…

なかなか難しいのが現実です。

 

団体事務の職員になるにあたっては、こういったジレンマと戦うことも覚悟しなければなりません。

 

最後に

いかがだったでしょうか?

今回は、市役所のちょっと変なお仕事、団体事務について解説しました。

 

また機会があれば、私が過去に担当した団体の実情について、

さらに詳しく解説してみたいと思います。

 

その際は、また読んでいただけると幸いです。

 

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